祝 辞
文部科学大臣 永 岡 桂 子
本日、第98回令和5年度全日本盲学校教育研究大会が開催されますことを、心からお喜び申し上げます。
全日本盲学校教育研究会におかれましては、日頃から、視覚に障害のある子供たちへの指導法や、教材・教具の研究等を通じて、視覚障害教育の研究推進と向上のために御尽力いただいておりますことに敬意を表するとともに、感謝を申し上げます。
文部科学省におきましては、特別支援教育を進展させていくための取組として、ICT機器の普及状況等を踏まえ、令和4年度から、専門教科「保健理療科」等において採択された教科用図書を音声化した教材のほか、UDブラウザー形式や点字データなどのデジタル化した教材が付録化された教科用図書についても特別支援教育就学奨励費の補助対象としました。更に、令和5年度からは、高等学校に就学する視覚障害のある生徒が使用する、教科用図書に代わる拡大教科書や点字教科書の購入費についても、特別支援教育就学奨励費の対象とし、視覚障害のある子供たちの学習環境の更なる充実を図っているところです。
また、昨年4年に成立した「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」に基づき、情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に取り組んでおります。この他にも、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」に基づき、「読書バリアフリー法」啓発のリーフレットを作成し全国の自治体に周知を図る等、視覚に障害のある方等が読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受するための環境整備を推進しています。
全日本盲学校教育研究会の皆様方におかれましても、障害のある子供の自立と社会参加に向けて、その教育の充実が図られるよう、今後とも格別の御理解と御支援をお願いいたします。
結びに、本日御出席の皆様のますますの御健勝と御活躍、並びに全日本盲学校教育研究会の更なる御発展を心から祈念し、お祝いの言葉といたします。